学打ち 円滑にかつ早く終わらせる方法 ホウレンソウ+○○

小学校だと教材研究、中学校だと部活動が大きな負担となり、月の残業100時間オーバーで苦しむ教員の方は当然多くいらっしゃると思います。

しかし、意外と「あぁ、これも時短したい…。」と思う業務って他にもたくさんありますよね。

 

そのうちの一つが「学打ち」です。多くの学校で、週1ペースで行うことが多いと思います。

 

私が勤務していた小学校であれば、大体、

 

各教科の進度の確認、単元の進め方の相談、各分掌からの連絡や提案への意見交流、行事や校外学習などの計画や相談、特別教室使用の分配、配慮が必要だったりトラブル対応が必要だったりする児童や保護者に関する相談、理科の実験や図工の準備等の学年での事前準備

 

こんなところが打ち合わせ内容でした。

 

しかも、放課後は他にも授業づくりやノート提出物点検等、自分の時間にやらなければいけないこともたくさんあるので、なるべく学打ちは効率的かつ円滑に進めて、短い時間で終わりたいですよね。

今回の記事は、学打ちを早く終わらせたい人に有効な手立てを書いていきます。

学打ちを早く終わらせるのは「学年主任」の仕事

学打ちという名前の通り、学年業務ですので、学打ちに関する責任者は学年主任になります。

 

学年主任は、近くは週に関する、遠くは学期を見通して、どの学打ちでどの程度の打ち合わせをしなければいけないのかを決めなければなりません。

 

また、その業務の中で、学年を組むメンバーに色々と仕事を振らなければいけません。何か抱えてそうなら相談に乗り、的確な指示を出したり教頭等担任外に情報を上げたりしなければいけません。

 

厳しいもの言いではっきり言うと、若手教員を始め、他の学年メンバーが、学打ちが長いと感じたり負担に感じたりしているようであれば、それは主任の責任です。

 

ましてや、学打ちが始まってから、「来週って何あるんだっけ?」などと言ったり、他の若手から「○○とか決めなくていいんですかね?」とか言われていたりしているようなら、100%主任論外です。

 

私が最初学年4クラスの主任をした時は、それより以前に素晴らしい主任の先輩と組んでいたので、それを真似することから始めました。

 

根本的には、学年経営は学級経営と何ら変わりません。相手が学年を組む教員になるだけです。

 

主任である自分が一番見通しをもち、学年を組んでいる教員の特性に合わせて仕事を振り、困っている時には共に考え、大事な時には一番何とかしてくれる信頼をもてる人になる。

 

児童生徒指導と一緒ですよね。

 

実際に主任をもってみて、その先輩がやっていたことの偉大さと、大切さを実感しました。主任の方は次の項目を実行していますか?していなければ、学年を組んでいるメンバーにイラつかれているかもしれません。

 

・週案は一月後、もしくは次の行事までの分を一気に出す。

・教科の分担は希望を聞くけど決めておく。

・主任間、学年間調整は基本的には主任が済ませておく。

・相談、トラブルへの対応は管理職を巻き込んですぐに一緒に対応する。(特に若手教員には)

・保護者対応も一緒にする。

・ダメなことはダメとはっきりする。

・授業に関しての相談は必ず受けてあげる。

・主任も早く帰る

 

…などたくさんあります。メインは次の見出しなのでここでは箇条だけにしておきます。

 

これを全てやるならば、自分が若手の時にやってほしかったことばかりではなく、学年を組んだメンバーの人柄や性格にも合わせて適材適所する能力も必要になります。

 

要は、若手の頃からよく主任の動きやねらいをよく見ていないと、自分が主任になった時に非常に苦労することになるってことです。

 

主任の動きが鈍いと、それが当たり前になった若手がまた主任になる時に非常に苦労します。悪循環ってやつです。

 

私も30才で初めて主任をもちました。今は管理職のみならず、主任も若年化して特に小学校では20代でもたされている人もいるはずです。若手をどう育てるかをしっかりと考えなければ、この先悲惨なことになります。

 

全ての責任は主任が負うという気持ちで、分かりやすく若手に振ってあげましょう。

学年主任ではない立場から学打ちを早く終わらせるアプローチ

さて、主任のせいばかりにしてはいけません。

 

何より、これを読む人はほぼ主任じゃないと思うから。

 

自分がどんな主任と組んでも早く帰りたければ、やるべきこと、やらなければいけないことがあります。

 

小学校をメインに詳しく書いていきたいと思います。

 

上記に載せた主任の動きを理解した上で、自分であらかじめ学打ちを迎える前に準備しなければいけないことを確認しておけば、なるべく学打ちを終わらせることができます。以下の通り。

自分が担当している教科についての進度は必ず確認しておく。提案を求められた時にはできるようにしておく

例えば、自分が理科の教科担当をしているとすると、学打ちで確認する週に入る単元で実験に入る時、最低限使用するものを理科室で確認しておくとか、授業の進め方の確認をしておくなどすると、学年は助かります。話題に出た時に、「あれどこだっけ?」「どんな風にやればいいんだっけ?」からスタートするのではなく、「理科室のどこそこにこれがいくつくらいあって、指導書ではこういう進め方になってますけど、学年でどうやって進めますか?」と最低限は言えるくらいにしておくと、「できる人!」となります。

 

他の教科等も含めて進度の確認をスムーズにできるようにしておくと、学打ちがスムーズに進みます。自分が研究している教科でなくても、やっとくと勉強になって安心できるのでぜひやりましょう。

 

分掌や行事等で担当しているところがあり、学打ちに関係しそうなところは洗い出しておく

例えば運動会の時期になると、いろいろな相談や調整が必要になりますよね。主任によって計画の立て方は違うと思いますが、自分が担当だった場合、叩き台を前もって作っておくことが大事になります。丁寧な主任の先生だと、あらかじめ「この週までにこれこれは提案できるように作っておこうね。」と言ってくれたり、体育館やグラウンドで確保できる時間をちゃんと洗い出しておいてくれていたり、主任間で取り組むことがある程度かぶらないように共有しておいてくれたり、学年のテーマややることを事前に考えていてくれたり…している方もいると思いますが、主任の方のやり方に合わせてスムーズに提案できるように準備しておくことが大事です。

 

何をどこまでやるかをしっかりと確認するのは主任の責任だと個人的には思いますが、主任次第というのが現実。自分が担当だと主任の方にいきなり振られて困ることがあります。

 

主任→考えていない 自分→主任が発信してくれると思っていた

 

このパターンが一番時間を喰うのは分かりますよね。自分のために!いい意味で主任を信用せず、奪うつもりで考えておきましょう。

 

主任に学年で共有しておきたいことがないか考えておく

特に主任が落としてそうなところ、自分のクラスと他のクラスで共有したり統一したりしたほうがいいなと思うところなどは、気付いた時にメモしておくなどして、学打ちでしっかり話題にあげたほうが良いと思います。

 

昨今、コロナに関する対応でここに苦しめられている先生はたくさんいると思われます。

 

あまりに事例が多いと思いますが一つだけ具体例を。

 

感染拡大防止のシステムがほぼ固まってきている昨今、給食時間は「黙食」が定着していることと思います。世に出ている情報だとここは統一されているように思いますが、実はそうではないですよね。

 

給食準備中は無言で用意されているのか、盛り付けは教師と児童どちらが行っているのか、おかわりや減らす増やす等のやり方はどうか、片付けの仕方はそれぞれ片付けるのか一斉に片付けるのか、片付けた後は何をして待っているのかなど、

 

感染拡大防止を謳うのであれば、こうした細かいこともちゃんと考えるべきですよね。

 

要は、「うちのクラスはこうだけど、他のクラスはこうしていない。」がまずいとあなたが思ったら、まず学年主任にきっちり相談した方が良いです。

 

ちゃんとした主任であればすぐに主任間であったり、管理職であったりに話題に出して共有、統一してくれるはずです。

 

されない時はされない時です。イラつくから、嫌な顔されるから相談しないという判断はよしましょう。「私は話題に出しましたよね。言いましたよね。自分のクラスはちゃんとこうしてますよ。」という免罪符をきっちりと勝ち取りましょう。後々いらない手間をとられないように。急がば回れ。

 

児童や保護者との相談やトラブル対応など、時間がかかりそうなことは学打ちではなく、なるべくすぐに共有する

これは大丈夫ですね。ここは「初期対応」が全てです。全ての対応を待たずに最優先ですぐにやりましょう。主任への相談も、事が起こった時には、児童が在校中でも、すぐに主任に報告しに行きましょう。

 

学打ちで話題に出すときには、すでに対応がほぼ終えているか決まっているかの状態です。学年への報告のためか、学年で対応が必要なことのために、共有する場と捉えましょう。

 

学打ちで初めて報告する、なんて愚策は決して取らないように…。

 

あとは「この主任まずいなぁ~。」と思ったときにやっておいたほうがいいこと

世の中すごい先生ももちろんたくさんいると思いますが、かわいそうな若手も見てきました…。

・可能であれば、気付いたときに話題に出し、ケツを叩いて共有する。

・学年のナンバー2に事あるごとに相談する。

・どちらもダメであれば、自分が先に確認する。(自分が困らないために)

・先に動くことを牽制されたら、管理職にすぐ相談する。

もできるとさらに円滑に事が進むと思いますよ!

究極の思考法 ホウ・レン・ソウ ダネ?!

ここまで読んでいただけたらこんな声が上がってきそう。

 

んなこたぁ分かってる。でも言うは易しするは難しなんだよ!

 

とお考えの先生方。朗報です。

同じ悩みを私が持っていた時に、スーパーな先輩が教えてくれた究極の思考法です。

 

学年での話し合いや分掌での話し合い、管理職との話し合い等、業務に関するコミュニケーションで大切にしていただきたいことです。

 

私はこれでかなりストレス軽減につながりました。

 

ずばり、「ホウレンソウダネ」です。

 

ホウレンソウは大人の方であれば何度も聞いたことがある「報告・連絡・相談」です。

 

私が(本当はただの受け売り)付け加えたのは「ダネ」です。何か分かりますかね?

 

 

「ダ」は妥協

 

 

「ネ」は根回し   です。

 

 

妥協とは、相手との話し合いで調整が必要な場合、譲歩点を作ることです。

 

絶対譲らない!絶対変えない!絶対聞かない!という頑固な同僚はどこでもいると思います。

しかし、ここで感情的になってはおしまいです。

 

まず相手の譲れるポイントを見定めます。

次に、そのもう少し上の要求をしてみます。

すると、相手が難色を示します。

そこで、「じゃあここでいいですよ。」と相手の譲れるポイントまで譲ります。

 

何か詐欺っぽく見えてきました。文章だけでは伝わりづらいですが、これができるのとできないのでは大きな差が生まれます。

私はこうやってトラブルを避けてきました。

 

さらにこれができると、相手に譲るという不快感ではなく、相手を自分の思い通りに操作したという快感が上回ります。さらに相手の印象は、「譲ってくれたいい人」ですからね。これ、ストレス軽減に大きく関わります。

 

 

続いて「根回し」です。

 

これも教員の世界ではできない人本当に多いです。根回しは、自分が通したい話や要求を自分の思い通りに事を動かせるようにするために、その周囲を賛同の意見で固めたり、賛同してくれる雰囲気を作ることです。

 

相手に何かの話を通したい時、いきなり当事者と調整に入ったりしていませんか?それでうまくいかなかったことありませんか?

 

それは、話をうまく通す流れを作っていないからです。

 

例えば、

☆相手よりも立場が上の人(主任、保健主事、教務主任、教頭、校長)にまず話を通して賛同してもらう

☆相手の周りに話を通しておいて賛同してもらう

☆逆に相手の話を聞く、要求に応える、褒め倒すなどして賛同しやすい雰囲気を作る

 

など相手の「YES」を引き出すための手間を惜しまないようにしましょう。

 

文字通り「手間」ですし、相手が喜ぶ姿や納得する顔のつくり方を知らない人は難しい方法です。ですが、これをめんどくさいと思う人と、できることはやってうまく事を運びたい人とで、その後の時間の使い方も、相手の印象も全く逆になります。

 

もし、心当たりのある人がいたら、ぜひやってみてください。

 

長文でした。

 

まとめ

・学打ちは主任が責任をもって円滑に運営すべし。

・学年を組んでいる周囲のメンバーも、提案にすぐ答えられるよう担当に関するたたき台は用意すべし。

・打ち合わせなどの話し合いは、「ホウレンソウ」に「ダネ」を加えてより上手くことを運ぶべし。

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