学級経営をうまくいかせる方法 最も大事なこと

 

現在、学級経営がうまくいっていないと悩んでいる教員は少なくないのではないでしょうか。

子どもが言うことを聞かない。隣のクラスが静かにしているのに自分のクラスだけ落ち着いていない。問題が起きる頻度が高く、休み時間や課外時間での対応に追われる。保護者や同僚などからのプレッシャーもストレスになる。

 

本当につらいですよね。私もそうした悩みを抱えた教員をたくさん見てきました。この記事では、学級経営を上手くいかせるために、最も大切なことを書いていきます。

 

学級経営がうまくいっている状態とは、クラス全体が○○と○○の両方を発揮できている状態のこと

そもそも、何を以て学級経営が上手くいっていないと言えるのでしょうか。教員の皆さんはそれぞれの定義をお持ちでしょうか。

 

私はズバリ、「自主」「規律」の両方を学級の中で子どもたちが発揮できていない状況のことと定義しています。

 

よく聞く「自主」と「規律」。どういうことかというと、「自主」というのは、子どもたちの主体性のことです。要は、子どもたちが、自分たちで考え、自分たちが目指している目標に向けて、一人一人が自分の力を発揮しようと主体的に取り組んでいる姿のことです。また「規律」というのは、公共の場、社会の中で生きる人間として、他者意識をもって過ごすということです。要は、ルールをしっかりと守って、誰か悲しい人が生まれないよう、全員が楽しく過ごせるようにするために必要なことを考えながら生活する姿のことです。

 

この2つがしっかりしていないと、学級経営が上手くいっていないクラス、いわゆる崩れているクラスと疑われることになります。

 

学級経営で最も大切なことは、縦と横のバランス

では、「自主」と「規律」を発揮するクラスにするためには、どのような教師の関わりや指導が必要になってくるのでしょうか。

 

子どもたちに「自主」と「規律」が生まれない原因はたった一つです。簡単に一言で言うと、

 

子どもが先生であるあなたの言うことを聞いていないからです。

 

子どもが先生のことを信頼していないからと言ってもいいでしょう。しかし、それは誰もが分かっていても、必要なプロセスを掴めないのが、多くの教員の皆さんの悩みと言えます。

 

上記の2つを子どもたちの姿として体現させるため必要なことは、学級内での「縦」と「横」の関係づくりのバランスを意識した指導が必要になります。

 

「縦」はいわゆる教師の指導力です。

 

社会の中のルールや、子どもたちと決めたことを基準として、指示を出したり指導したりする力の大きさを指します。砕いて言えば、「縦」の関係づくりは、いかに教師の言うことを聞かせられるか、ということになります。勘違いしないでほしいのは、それは全て命令をして従わせるようなものの類ではありません。みんなで決めたルールをいかに守れる環境を、教師の関わりによって作れるかということになります。横柄に聞こえるかもしれませんが、大事な場面での教師の発言力が無いばかりに、苦しい展開を余儀なくされる教員の方をたくさん見てきました。教師が大事な場面で、あるべき方向性を示したり、何を大事にすべきか子どもたちにもう一度吟味させたりするなど、確実に発信しなければならないことが子どもたちに伝わるということは何より大事なことです。

 

次に「横」の関係づくりです。これは、子どもたちとの信頼関係づくりのことを指します。

 

もちろん子どもは、「縦」の関係づくりばかりを発信してくるような教師の関わりをもちろん嫌います。子どもはいかに先生が親しみにやすく、信頼しやすく、自分たちが安心して過ごせる環境を作ってくれるのかを期待しています。普段は面白いことを話してくれて、困った時には相談したら何とかしてくれる、そんな大人を期待しています。

 

 

「縦」に必要なことは○○性

ここからが大事なポイントです。

 

「縦」の関係づくりで最も必要なことは子どもへの指導に一貫性があることです。

 

子ども目線で言うと、「先生の関わりはどんな時も平等だ」と感じることです。私が見てきた中で、縦の関係づくりで一番悩んでいた教員の方の原因は、「発言がブレている」ことでした。「あの時はこう言ったのに…。」「あの子にはこう接していたのに…。」「あの時はこうしてくれたのに、この時はこうしてくれなかった。」と子どもに思われてしまうのです。無意識だとは思いますが、子どもがこう感じた時の反応は正直なものです。明らかに無反応になっていくか、反発した態度が先生に向けられることになるでしょう。

 

よくここで勘違いする教員の方がいらっしゃるのですが、「そんなに堅物みたいな関わりだと子どもはついてこないのでは?」「子どもにもっと自由に過ごさせてもよいのではないか。」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、厳しいか厳しくないか、自由か不自由かが一番大事なことではありません。もちろん子どもが優しいと感じ、不自由さを感じない環境づくりは必要です。ですが、私がここで指している「一貫した関わり」には、必ず真ん中に子どもがいることが前提です。何を言っているかというと

教師の関わりは全て子どもの願いや思いに沿って生まれ、そのために必要なことを子どもたちと話し合った上で決めたことを、教師が一番守り抜かなければいけない存在であるべきだ

と言っているのです。ここを勘違いしている先生ほど、軍隊を作るかのようなイメージを持ってしまうのですが、全く違いますので、気を付けましょう。

 

絶対に、願いの主語は子どもであり、そのために必要なことをいつも教師が一番見通せていなければ、子どもに一貫した関わりはできません。子どもと何を話し何を決めたか、子どもが何を願い、叶えるために何が必要なのかが分かっている。子どもと相対す時に、これが先生の中でブレずにあれば、きっと指導力は自ずと上がり、子どもたちにしっかりと指導が通る土台が固まってきます。

 

「横」に必要なことは○○○の時間

 

さて、ここまでの文脈から、大分怖い教師像に近付いている気がしていますが、あくまで「縦」と「横」のバランスなので、「横」の関係づくりが上手くいっていないと、ただの恐怖政治に見えるかもしれませんし、子どもは言うことなんて聞きません。保護者の方の不安も増しますね。

 

「横」で最も大事なこと。それは、あなたという人間に親しみをもってもらい、信頼してもらうこと。

 

子どもたちは教師が「何を言うか」より、「誰が言うか」に重きを置いて聞いています。普通の大人社会でも、家族や友人との日常生活の中でも、「この人の言うことは信頼できる。」「あなたみたいな人が何を言っているんだ。」と思うことはままありますよね。「平等にしろ!」「人を比べさせるな!」と思う人がいるかもしれませんが、信頼できる人の発言と信頼できない人の発言が、聞く側に与える影響に差が生まれてしまうのは明確です。

 

「横」の関係づくりで大事な行動は、授業外の時間の行動です。

 

あなたや、あなたの周りにいる教員の方は、子どもの登校時間や休み時間等に、何をしていますか?教材研究をしたり、テストやノートの点検や丸付けをしてはいませんか?または職員室でコーヒーに舌鼓を打っている方もいらっしゃるかもしれません。絶対にダメです。

 

学校にいる間、子どもたちが一番自由に考え、一番自分の思った行動をとり、一番子どもの人柄が見えるこの時間を生かさない手はありません。この時間に子どもと共に話し、共に遊び、共にコミュニケーションをとることが一番大事です。言ってしまえば授業中の教師なんて、先生としてのあなたの一部分しか触れることができない時間です。逆に言えば、授業時間だけの関わりで、先生の人となりや良さ、優しさや面白さは十分には伝わりません。なぜかと言うと、子どもの生活感に近付けないからです。

 

例えば今流行りのゲームの話題を教師から振ったとしましょう。「え?先生もこのゲーム知ってるの?」となれば儲けものです。子どもが楽しいと思う話をするのも大事ですが、ここでは「先生も一人の人間なんだ。」と思わせること(感じさせること)が大事なのです。休み時間に先生が、いの一番に体育館やグラウンドに出て一番楽しんでいるかのように遊ぶのもよし。教室の中で子どもと昨日何のテレビを見たかを話すのもよし。先生の子どもの頃の話や日常生活の話をするのもよし。図書室で子供の横で真剣に本を読んでいる時間を送るのもよし。

 

休み時間は、教師としてだけではなく、一人の人間として、親しみをもってもらえる人間性を子どもたちに示す時間にするよう努めていきましょう。身近に親しみのもてる先生がいることに対する子どもたちの安心感や信頼感は変わってくるはずです。

 

まとめ

  • 学級経営は自主と規律の両方をいかに体現させているか
  • 学級経営で大切なことは、「縦」と「横」のバランス
  • 「縦」に必要なことは一貫性をもった子どもとの関わり
  • 「横」に必要なことは授業外の時間の過ごし方

 

子どもは「先生が何を言うか」ではなく、「誰が言っているのか」を見ています。バランスを整えて、学級経営の上手い教師になりましょう!!

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