絶対知らない学校の真実 学級編成の9つの秘密

小学校では、学校によってそれぞれクラス替えをする学年が決められています。

 

多くは2年ごとに、中学年・高学年へ上がるときにクラス替えをすると思います。

 

しかし、これは各学校の校長によって変えることができるため、毎年クラス替えがあったり、また違う編成の仕方があったりします。

 

保護者の方は、いつも自分の子どもがどうやってクラスが決められているのか疑問に思いませんか?

理由を考えたり、他の保護者の方といろいろ考察したりしているのではないでしょうか?

 

今回の記事ではその疑問の解答を出します。

合っていることもあれば、実は予想だにしていなかった決め方も知れると思います。

 

一つだけ断っておきたいことは、学級編成は担任陣が編成しますのでその時々によって色があり、筆者が教員をしていた時とはまた違う決め方をしている可能性があります。

 

編成に関するいろいろな傾向を踏まえた上で、学年や学級の色を感じ取ったり、学級の中で自分のお子さんがどういう立ち位置とされているのかを見極めるための参考にしていただければと思います。

 

学級編成をする時の基本

周知の事実かもしれませんが、学級編成は、基本的には前年度受け持っていた学年の担任が決めます。クラス替えが行われた新しい学年の担任が決めたわけではありません。

 

よって、前年度までの各クラスで過ごした子どもたちの姿を学年で共有し、次年度クラス替えをした時に、よりよい人間関係が作れるように学級編成をします。

 

クラス替えによって、人柄が異なるいろいろな人間同士が関わり新たな人間関係が形成されていきます。たくさんの違う見方や考え方を認め合う風土を作ることで、より豊かなコミュニケーション能力を培うことにつなげていくわけです。

 

と言うのは建前です。

 

嘘とは言いません。

 

しかし、話し合いで一番念頭に立つのは、「トラブルを避ける」ということです。

 

このクラスではこんな課題が見受けられる、こういうトラブルが見通せる、という学級編成はまずしません。例えば保護者の立場に立って考えた時、「あそこは犬猿の仲なのになんで一緒にしたの?」と思われるような冒険は普通しません。

 

学級編成というのは、子どもたちが安心するだけでなく、保護者の方がホッとするものにしたい、というのが、担任陣の本音なわけです。それが学級編成と基本となります。

 

学級編成をする時の基準

ここで学級編成をする際の基準に挙がることを列挙します。

 

学力の均等化

成績で分けたり、教科毎に分けたり、漢字や算数で分けたりするなど色々な見方をする場合がありますが、クラスごとに学力が偏らないようにします。また、ほとんどの学校で毎年取り組んでいる学力知能検査の学級順位の番号を使うことも多いです。

 

運動能力の均等化

学力と同様に平均化します。運動能力の場合は順位付けするのではなく、成績を基にABCの3段階に分けて、各クラスABCの人数を同じするような組み合わせにすることが多いです。学力と同様に偏ると「何でうちのクラスはこんなできないんだ?」みたいな思いが生まれてしまいますからね。

 

リーダーシップがとれる子・発信力のある子の抽出

次に、学級で担任が「核」にできる子どもを抽出します。もちろん他児童との兼ね合い、関係性踏まえですが、そのクラスの中で先頭に立ってキャプテンシーのようなものを発揮してくれる可能性のある子を振り分けていきます。担任がそのクラスでしっかりとした経営ができるようイメージを作ります。

 

学習で支援や配慮が必要な子の分配

学級の中では、教師はもちろんクラスメートなどに手助けを要するお子さんがいるものです。一人の担任に過度な負担がかからぬようこうした児童も均等に分配されることが基本です。

 

人間関係による編成

先述にもあった通り、無用なトラブルは避けることが第一です。前年度までの引き継ぎで一緒にしない方が良い情報があれば、まず離します。特にいじめアンケートなどで名前が挙がるようだと、解決した後だとしても大体は関係しているお子さん同士を離す傾向があります。少なくとも私が勤務していた学校では。

体感的には近年、保護者の方が編成についてお願いするケースも増えてきているように思います。学校側は思いを受け止めつつも「そういったことは要望通りにすることはありません。」と言います。逆に「分かりました~。」とか言う人がいたらまずい人です。まさかいませんよね?

あくまでも学校が主体となって教育に携わるプロな以上、保護者が主となって学校体制に関わってしまうなどすると、今後に大きな弊害をもたらすからです。

 

ただ、大体要望通りになります。理由はお察しの通りです。わざわざ虎の尾は踏みません。

 

事実高学年はめちゃくちゃ困った時もありました。「人間関係×多すぎて組めないよこれじゃ。」と。

 

でも、保護者の方は不安な気持ちは正直に伝え、言ったほうがよいですよ。言い方は悪いですが、言ったもん勝ちです。ただし、あなたのお子さんが同じような人柄の人間に出会った際に自分で乗り切る力はつきません。要望は結局通ると思いますが、目的と見通しをしっかりと持って要望しましょう。

 

学年主任と初任者、性別

ここは学級の色を見る上で、保護者の方もちゃんと知っておいた方がよい大事なことだと思います。

なぜかと言うと、上記に記した学級編成の基本がここで全て覆る可能性があるからです。

 

なるべく全ての項目を均等に配置したとしても、学年で相談をする時か、最後に校長教頭が最後に目を通して決済をする時に変更する場合があります。

 

例えば、学年主任の先生が力のある人だと見られている学年であれば、「○○先生ならもう少し学習で支援が必要な人を増やせない?」という案が出たり、

 

初任者(新卒者)が持ちそうなクラスの場合、「もう少し大変なお子さんを減らしてあげたほうがいいよね。」などの話が出たりします。

 

学級編成は次年度の学校体制が校長から教えられる前(普通は修了式の日に分かります)から組んでいて、建前としては「誰がどのクラスを受け持っても偏らないように」という編成をします。

しかし、実際分けて大変なことになって不利益を被るのは子どもたちであり、担任も困るわけです。

なので、事前に少しでも校長から情報をもらって、どのような担任布陣を考えているか聞いた上で編成をしている学年や学校がほとんどかと思います。

私も主任の時には、「校長先生教えてくださいよ~!」と聞いていました。

 

ちなみに校長教頭と学級編成の最後の打ち合わせの際、「今年の不登校&保健室登校になった子は全部先生のクラスに入れてくれ!」と言われたこともありました。学年の子どもの中で全部っスよ。全部。何人かは想像にお任せします。

 

保護者と担任、児童と担任の関係性

前年度から引き続き学年が持ち上がりで先生が配属される時に、もし前年度受け持っていたお子さんや保護者との対応でトラブル等があったら、大体その先生は外れます。安心してくださいね~。

 

逆に編成の時に、「○○さんは□□先生でなきゃだめだよね。」という場合もあります。

 

学年によって

例えば1年生だと帰り道同じコースの子が複数名必ずいるように編成をして、帰り道一人にならないようにすることがあります。

4年生までは非社会的な行動が目立つお子さんが編成で注視されることがありますが、5・6年生になると反社会的な行動が目立つお子さんが編成で注視されることが多くなる傾向があります。これは私の体感ですが。

中学受験が例年多い学校だと、5年生の終わりに希望調査をとって、受験希望のお子さんを均等に分配するよう編成の視点に入れることもあります。

 

その他担任によって

私はあまり気にしませんでしたが、編成の際話題に出た案を並べます。

・習い事や少年団のグループの分配。

・帰り道のコースが同じ子を敢えて離していく組み方。

・氏名被りを避ける(特に苗字)組み方。

などなどいろいろありました。

 

傾向からどのように子どもを見守るか

編成の時に、どのような事が話し合われてクラスが決められるかを書いていきました。

 

保護者の方にとっては、結局自分のお子さんがどのような視点でそのクラスに組み込まれているかが分かる人もいれば、分からない人もいると思います。

 

ただ、ヒントはあります。

 

それは、学級編成は学校が決めていることだということです。当たり前過ぎますか?

 

もう少し噛み砕いて言うと、自分のお子さんが、担任からどのような見方をされているかという情報(思い)が受け取れれば、それがヒントになるということです。これを最後に書きます。

 

担任の配置から考える

先述にもあった通り、主任には比較的大変な子が多く寛容な子やリーダー格の子も多いクラス、初任者はとにかく大変な子はあまり増やさないようにする傾向があります。

自分のお子さんがどの立ち位置なのか明らかな場合は結構わかると思います。「あぁこういう組み方ね」と。

 

懇談の言葉から探る

特に個人懇談は、担任がお子さんにどういう見方をしているかが非常に伝わる場です。伝える言葉も傾向があります。参考程度に…。

担「いつもみんなのお手本ですよ」→リーダーシップを期待する子

担「みんなの人気者ですよ」→発信力のあるタイプの子

担「○○を頑張っていますね」→何も印は付けられていないどのクラスにも配置出来る子

担「(漢字や算数に関して)○○に困難を抱えている」→学習支援を要する子

担「○○さんとの件では…」→トラブルにより人間関係× 関係の子と離れる可能性大

担「いつも○○さんと仲が良くて…」→もっと広い人間関係を作って欲しいと離されることもある

 

など、学級編成という視点で見ると中々ヒントになることを喋ってくれるもんです。

 

参観から探る

担任は教室の中で集団としてのお子さんの立場を見極めています。なので、その姿が実際に見える授業参観からも、多少探れます。ただし、親御さんが見ているバージョンだということも忘れずに。

たくさん意見を述べ、先頭に立っているお子さん→授業の大事な場面で話せる重宝される子

机間指導の時に、先生にたくさん声を掛けてもらっている子→支援を要する子

不特定多数の子とコミュニケーションをとっている子→人間関係に困る子に手を差し伸べられる重宝される子

あまり場面が読めていない発言をしてしまうお子さん→主任や男性教諭のクラスに行く可能性あり

じ~~~っと黙っている子→どのクラスにも行く可能性あり

などなど。

あくまでもトラブルを起こさない教室を作りたい学校の見方です。参考までに…。

 

注意事項

あくまでも学校の見方、大人の見方であり、それを知ったからといって、何かを変えようとする必要はありません。なぜなら、その子や保護者であるあなたにとっては「そんなカテゴライズされたくない」と思うからです。別に気にしなくていいんです。

 

大事なことは、編成の傾向を知った上で、絡んだことのないタイプのお子さんとどんな人間関係が作っていけるのか、よりよい関係を築いていけるのかなどを見極め、お子さんの背中を押してあげることです。前に立つことではありません

 

離れるのも手。凌ぎきるのも手。認め、受け止めるのも手。反目して立ち向かうのも手。色々な手の出し方を親がするのではなく、子に教えて、信じて実践させてみてください。

 

だって、あなたのお子さんは社会に出るんですから。年も全然違う、考え方なんでもっと違う、立場ももっと複雑に絡み合う、そんな世界で自分を表現していかなきゃならないんですから。

偉そうに失礼しました。ご一読ありがとうございました。

 

まとめ

・編成は前年度担任が、それまでの引き継ぎ事項含め考える。

・基準は学習、運動、人間関係に限らずたくさんありますよ。

・編成の傾向を知った上で、その中での生き方を教え、背中を押して上げるべし。

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